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2010年7月 2日 (金)

ランポー爺さん逝く

 バブルヘッドという画期的なスティールヘッドフライがありますが、

Sh2

 このフライはバビーンリバー(カナダBC州スキーナリバーの支流)でスティールヘッドを水面で釣る方法としては最も効果のあるフライでした。

 それを考えたのはヴィック・ランポー爺さんでした。(Victor Samuel Rempel 1929年生まれ)、この何年かアルツハイマー病と戦っていましたが、先月23日に亡くなったそうです。 釣るの標語で「たくさん釣るより楽しく釣ろう」という言葉がありますが、このバブルヘッドは、それの究極です。

 水面で泡を出しながら動くので、スティールヘッドを興奮させると言われています。

1992年に私が初めてバビーンを訪れたときに、バビーンノーレイクスロッッジのオーナーガイド、ピアス・クレッグからその効果と、ルーツを聞きました。

ビデオ「究極のスティールヘッドに挑む。」でもバブルヘッドで釣った魚が出ています。

そしてその2年後、94年の9月にヴィックとロッジで会いました。「Mr.バブルヘッド」と呼んだら、喜んでいました。

 その後、2000年まで、毎年9月に一緒にロッジへ滞在し、過去のスティールヘッドの話を聞いたりして楽しい時を一緒に日本に行った仲間とともに過ごしました。「ヴィックと話をしたいから、通訳してくれ。」言う友人もいました。私の英語の勉強をたくさんさせてもらいました。

なるべくIと言わないでWEを多用しなさいと教えてくれたのも貴方でしたね。

 ヴィックはスティールヘッドはできるならドライフライで(水面で)釣るべきだと言ってました。

 なぜならそれが一番楽しいからです。究極の(何回も使いますが0巨大魚が水面で滑走するフライに食いつく瞬間が見えるのだからこれほど面白くて楽しいことはないじゃないか。と言ってました。

 「数は問題じゃない。たくさん釣りたいならわざわざフライフィッシングをやることはなく、スプーンで釣ればいい。」というヴィックも、以前はスプーンやイクラで釣っていたそうです。その頃はフライでスティールが釣れるということが知られていなかったそうです。

 フライでスティールヘッドを釣ると気が大きくなって結構高飛車になる方も多いようですが、彼はまったく違いました。

 フライを始めたころ思いシンキングラインで川底すれすれに流していましたが、ドライで釣れることが分かると、そちら一辺倒になったそうです。

単なる名人ではなく、スティールヘッド釣の歴史を見てきた人だから一緒にいて楽しかったのでしょう。

バブルヘッドはドライで釣りたいから我慢して使うフライではありません。

ロケーターフライと言って、魚の居場所を探すフライに使えるほど、魚はこのフライに興味を示します。

そして食い損ねたら、他のウエットフライに変えて釣るという方法もあるぐらいなのです。

 この食い損ねがたまりません。心臓が口から飛び出るほど興奮します。

「そこにヤル気のあるスティールヘッドがいる。」のが分かったときほどドキドキすることはありません。

 またこのフライには大型が来るという特徴があります。

 友人の多くがこのフライを使って20ポンドを超える大型スティールヘッドを釣っています。

 最大魚107cmもこのフライで釣りました。推定28ポンド。ヴィックに言ったら、「お前は不幸だ。今後それ以上の魚は絶対に釣れないだろう。」と笑って祝福してくれました。

 ヴィック爺さん、時は新人のガイドを叱咤し、指導するほど、どっちが客だい?なってこともありましたが、貴方と一緒に釣りができたことを幸せに思います。

 天国で釣るスティールヘッドは未来のためにみんな優しくリリースしてくださいね。

日本語で言っても分からないと思いますが、私たちは心よりご冥福をお祈りいたします。

(写真は川を移動中のボートの中で私と語ったヴィック。写真は誰が撮ってくれたのでしたっけ?)

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