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2015年12月22日 (火)

第109回フィッシングカレッジ

東京海洋大学のフィッシングカレッジも今回で109回目を迎えました。

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講師はつり人社会長 鈴木康友氏(右)
江戸時代から継承される釣り文化についての講義でした。
レポートは海洋政策文化学科の小菅綾香さんです。


109回フィッシングカレッジ

東京海洋大学

海洋政策文化学科1

小菅綾香

○はじめに

 第109回目を迎えるフィッシングカレッジも、今年度最後の開催であった。毎回、貴重な話を聴講する機会を提供して頂いている奥山文弥先生に感謝を申し上げたい。

本日は、月刊つり人の鈴木康友会長が江戸時代から伝わる釣りの文化について講演してくださった。

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○江戸和竿

 「江戸の釣り文化は非常に優れている」と、鈴木会長は言った。和竿について、次のように述べている。伝統工芸品というのは、その作品に最後に手を加える職人がピックアップされやすい。しかし、作品が完成するまでには、原材料の調達などで、多くの人の手が加わり出来上がる。けれども、和竿というものは職人が、材料である竹を調達し、完成までのすべてを行う。これは珍しいケースであると、鈴木会長は言った。

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○ねり船

 ねり船とは、昔の釣り船である。「ろ」と呼ばれるオールを、練るようにして動かす。それにより、船が進んでいく。ねり船の操船には、船頭の高度な技術が求められる。ただ、ねり船を前進させるだけならば、ある程度練習すれば誰でもできるそうだ。しかし、海上には、風や潮汐などの影響がある。その影響を考慮しながら釣り糸を、まっすぐにするための技術が求められる。これが至難の業なのである。さらに、時々は釣れないお客さんが釣れるように船を動かしてあげることもあるそうだ。

 けれども、そんなねり船は現在、船頭の後継者不足とねり船自体を創る技術者が、ほとんどいないそうだ。これは和竿職人の後継者問題でも同じようなことが言える。江戸和竿という日本の伝統を次の世代に残していくためには、新たな人材が必要であると、鈴木会長は話されていた。

 江戸和竿の伝統を残してゆくために大切なのは、職人だけではない。例を挙げると、東京湾のハゼ釣りである。東京湾は高度経済成長期から、埋め立てがあちこちで行われた。それにより、ハゼの産卵場所が減少している。ハゼは砂に潜って産卵する。そのため、埋め立て地では子孫を残すことができないのだ。このように、我々は今後、魚が生息できる

環境についても考えなくてはならない。

○だんな

 鈴木会長は「だんな」についての話をされていた。だんなは、それぞれの行きつけの船宿に和竿を束にして置いている。その時々の釣行に最適な竿を船頭がチョイスし、だんなに渡すそうだ。そして、年末になると、束の和竿を竿師の元へと持っていく。メンテナンスをしてもらうためである。さらに、鈴木会長は、竿は竿師のところにいる時が、一番安心でるのだと、言っていた。だんなは、竿師に竿を注文する時、思い描く理想を伝える。しかし、その理想が1回で実現することは、まずないだろう。最近では、納得のいかない竿だと、返品するお客さんがいるそうだ。しかし、それは違う。だんなは、次はこういう調子で作ってほしいと、さらに新しい和竿を注文し、自分の理想へと近づけていくそうだ。現在、そういった「だんな」は、ほとんどいないと鈴木会長は言っていた。「だんな」は、「粋」で男前であると私は思った。きっと、だんなと竿師は非常に密接な関係であっただろう。

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○和竿

 今回のフィッシングカレッジの開催に伴い、鈴木会長は自身の所有する和竿を持ってきてくださった。大体100本ほどはあっただろう。お値段は一本ン十万円!!

 私もこんなに多くの和竿を目にすることはあまりない。さらに、どの竿たちも素晴らしいものばかりである。それぞれの持つ竹の個性や色の深み、存在感は圧巻であった。

 この機会に、江戸和竿に関する様々なお話が伺えたことを、非常に嬉しく思っている。私も和竿が、これから先の世代に残っていくように大切にしたいと考える。

 

鈴木会長、本日は貴重なお話を有難う御座いました。

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