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2020年7月17日 (金)

釣りと環境〜まき餌

釣りと環境

 

「釣りはなるべく自然環境に対してローインパクトであるべきだ」私は思っています。
しかし釣り人が使う撒き餌のおかげで海が汚れると言われた時もありました。
そこで「そうじゃないでしょ?」と証明する調査を行なっています。

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2005年の4月から東京海洋大学と世界に名だたる釣り餌メーカーのマルキユーが共同研究で海底調査を始めて10年以上になります。
釣り場近くの海底がどの様になっているのか、
潜らないと見えない部分、分からない部分を究明することが目的です。

 

場所は三宅島と伊豆半島の赤沢の2箇所です。
三宅島は2000年の9月に雄山が噴火して全島民避難になり
4年8ヶ月後の4月、帰島許可が出ました。
すぐに佐藤秀一教授(海洋生物資源学科)、マルキユー研究室のチームと共に調査を開始しました。
この間誰も釣りをしていないからです。
海底は心配するほど火山泥などの堆積もすでになく、噴火以前と同じく、きれいな海が広がっていました。

 

釣り人がいる場所に潜った時は、撒きエサが海底に到達する前に小魚に全部食べられてしまうことも観察しました。
一方、三宅島とは対照的な調査地点として、伊豆半島の赤沢港を選びました。堤防釣りで有名なので撒きエサが何年も前から連日のように入っています。この伊豆半島のくぼみの奧にある港にて、同様の観察をしました。
やはり海底に届く前にすべて魚に食べられてしまいました。

 

この他に定点調査でダンゴ状にした餌を設置し
一晩おいて同じ場所に潜ってみると、跡形もなく、時にはヤドカリが集まって食べていました。
ダンゴがバラけた固形以外の成分は、最終的に彼らや微生物が分解しました。

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撒きエサの堆積はどこにもありません。
回遊魚を寄せるコマセは、目的の魚が食べなくても、その他に豊富に生息する生物に食べられて分解され、
海の栄養として還元されるのです。
採取した水を分析しても撒き餌由来の窒素やリンの検出もありませんでした。

 

 

当時は国内で18都県が撒き餌禁止でしたが、この結果を発表すると佐賀県や高知県をはじめとして次々に解除され、
今では撒き餌禁止は3都県(東京都、茨城県、福井県)のみになっているぐらいです。

 

調査開始からずっと継続しているからこそ、
自信を持って報告が行えます。この話は「何年か前の誰かの話」ではないのです。私たちが見続けているのですから。

 

 

これは想像でしかない私見ですが、
水中に窒素やリンを放出しているのは
人が利用した生活処理水です。
つまり環境を汚しているのは、環境保全を訴える人々も含む人間が原因なのです。一部の釣り人の仕業ではありません。

 

 

 

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